PL被害(製造物責任)110番のお知らせ
東京弁護士会は、概要、下記の通りの110番の開催を予定しています。
1 110番の概要
名 称:「PL被害(製造物責任)110番~製品事故、食品・健康食品等による健康被害等についての電話相談」
開催主体:東京弁護士会 開催予定日:2017(平成29)年9月28日(木) 開催時刻:午前10時~午後4時。 電話番号:03(5251)2260(※1日のみの臨時番号) 相談対象:製品(家電製品・生活用品等)・食品・健康食品・美容衛生製品等(※動産に限り、不動産は含まない。)の欠陥により、人身被害・健康被害また財産的被害を蒙った被害事例(いわゆるPL被害事例)。 相談担当者:製品事故等についての知見を有する弁護士 事後対応:110番に寄せて頂いた相談・情報については、その件数種別・製品分野・事故態様・被害の内容と程度・被害者の属性・被害発生の原因・製造業者側の対応等、必要な情報を集計して製品・食品等の被害救済に係る制度改正の提言に向けた今後の活動の参考にさせて頂きます。 また、被害の内容・程度により、相談者において個別の面接相談と具体的対応まで御希望のある場合は、有料になりますが、別途、面接相談の日程を調整させて頂き、面接相談以降の対応も致します。 費 用:無料 |
2 開催趣旨
⑴ 当会の消費者問題特別委員会(PL・食の安全部会)は、製造物責任(PL)法分野及び食の安全の分野を対象に判例や実務上の問題点についての調査・検討を進めています。PL分野の裁判例等の事案を検討するにつけ、PL法(平成6年制定、平成7年7月施行)は、すでに施行から20年以上経過したにも拘わらず、製造物の欠陥に因る人身被害等に関し消費者側の主張・立証の負担を軽減して迅速・確実な被害救済を図るとの当初の理念に照らして十分な機能を果たしていないように思われます。
⑵ その要因としては、一方において、PL裁判において裁判所が消費者(被害者)側に求める主張立証の負担が重いこと(一般不法行為とほぼ変わらない科学的機序の主張・立証を求めること)、他方において、製造業者側はPL保険等の被害救済の枠組みは形としては存在しても、少額被害こそ迅速に対応するものの、死亡・後遺障害等の重度の被害について訴訟となった事案に対しては、技術力と資金力を駆使して徹底的に争ってくるケースが多いことに起因すると考えられます。その結果、消費者にとって訴訟提起の敷居が非常に高くなり、多くのマスコミ報道が行われて社会問題化した「茶のしずく石鹸」「カネボウ白斑」等の最近の幾つかの集団被害を除き、他の領域に比して、訴訟件数は非常に低調となっています。
国民生活センターでは、2015(平成27)年4月以降、PL法の施行状況を調査するために「製造物責任(PL)法による訴訟情報の収集」を行い、その集約情報は、同センターのホームページ上で公開されていますが、その結果を一覧する限りにおいても、全体に占める認容案件の比率は非常に小さいところです。
⑶ また、近時は上記以外にも、健康食品、美容衛生製品等による新たな被害がかなり報告されるようになっており、その中には従来、関連業界等においても必ずしも十分には予測されて来なかった被害が発生しています。そのような新たな被害状況に対して現状のPL法及びその運用の下では、十分な被害救済と再発防止の目的を達成できない恐れがあります。
⑷ そこで、当会は、実際には多数存在するはずの製造物による被害に光を当て、被害情報の集約と実態調査を進めることにより、製造物責任を巡る法制度のシステム及び運用が少しでも改善されることを目指して本110番を企画しました。