静まり返る街
新型コロナウイルスの蔓延がなければ今頃は、日本中がオリンピックの話題で溢れていたことだろう。神保町の街並みに「TOKYO2020」のフラッグが現れたのは、4月10日。神保町はスポーツ店が軒を並べ、海外からの客も多かった。今ごろは街をあげてオリンピックを歓迎していたことは、想像に難くない。店は自粛で休業し、「スポーツ店の街」を象徴しているのは「TOKYO2020」のフラッグだけだ。
一方、「本の街」神保町の古本屋は、息を潜めるように店を閉じている。古本は「骨董品」扱いで古本屋は自粛要請の対象、新刊本は「生活必需品」なので本屋は営業が許されているということだ。
ステイ・ホームの今、「本の街」神保町で古今の名作を手に取ってみたいものだ。もっとも今は、本屋にも古本屋にも出向くことはままならない。
普段は学生や勤め人、旅行客などたくさんの人が行き交っている神保町。夕方になると多国籍の料理店や居酒屋も賑わっていた。街の活気が戻ることを願うばかりである。