男坂・女坂
神保町と御茶ノ水の間付近に、並行する形で神田駿河台と猿楽町を結ぶ二つの長い階段があり、それぞれ「男坂」「女坂」と名付けられています。一般的に、男坂・女坂はセットで作られ、参道や登山道に多く見られますが、神田駿河台の男坂・女坂は周囲に神社などはなく、その点では珍しい坂道です。
男坂は一直線の階段で、階段の両側は明治大学の校舎になっています。女坂は、通常はなだらかな坂道になっていることが多いですが、この駿河台と猿楽町を結ぶ女坂は、踊り場が複数設けられているものの、そこそこ急な階段となっています。
江戸時代以来、猿楽町と駿河台の境であるこの一帯は崖地で元々は通路がありませんでしたが、1924(大正13)年8月に、震災復興事業で通路が作られ、同時期に2本の坂が作られました。そのうち、東側の直線的で急なほうの坂が「男坂」、西側のやや緩やかな坂が「女坂」と名付けられたとのことです。